果物は悪なのか

前項で糖尿病患者は果物を食べてはいけないのは?となったわけですが、実際に糖尿病患者の普段の食事内容では、毎食後にデザートの果物をやっぱり食べないと気が済まないという人が結構多いそうです。特に高齢の糖尿病患者では、果物を食べるのが唯一の楽しみなのに、という人も少なくないのです。
では逆に果物を食べても治療効果が下がらないようにするにはどうするかということになります。実際に果物を食べてはいけないと言われてしまう患者の場合、その多くは、どうやら果物を摂り過ぎていることが多いようです。
「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」においては、果物も食べるべきものとなっており、必要量としては、1日トータル1600kcalの人の指示カロリーで1単位(80kcal)となっています。人によって指示カロリーがそれぞれ違うのですが、それに見合った1日の必要量を守ればいいのです。
もちろん、いちいち一覧表を見るのは大変ですし、一覧表に掲載されていない果物もありますから、そこは工夫が要るでしょう。わかりやすい目安ですが、例えば高齢の糖尿病患者で、どうしても果物を食べたいという場合には「果物はこぶし大1個分を1日の目安として、デザートとして食べる」ようにしてください。これを3等分して毎食後にするのでも構わないそうです。
これならわかりやすい目安だと言えるでしょう。具体的には、ミカンなら中くらいのもの2個、リンゴなら半分くらいとなります。