果物だけが悪ではない

果物を一切禁止されないのだと知って、ちょっとホッとしたかもしれませんで。しかし、当たり前ですが、果物は食事のごく一部でしかありません。それだけを気を付けていればいいわけではありません。
基本的に糖尿病患者の食事療法については、食事のタイミング・食事の質・食事の量という3つの要素があります。前述の低糖質ダイエットの場合は「食事の質」に特化した対処方法です。他の食事のタイミングと食事の量というのは全くノーマークになっています。これはちょっと片手落ちではないでしょうか?
更に、糖尿病治療というのは一時的に上手くいけばそれでいいというものでもありません。誰についても生涯を通じ、血糖値が上がらないような生活習慣を身につけなければなりません。低糖質ダイエットが良くないというわけではありませんが、これが唯一の食事療法ではありません。
そもそも食後に血糖値をただちに上げるものは甘い辛いという味ではなく、あくまでも炭水化物(糖質)です。もちろん、果物は、果糖、ブドウ糖、ショ糖など炭水化物(糖質)が含まれていますから、摂取量によっては、多かれ少なかれ血糖値の上昇には影響しています。
他には穀類や芋類もあります。これらには炭水化物(糖質)としてのデンプンが含まれています。デンプンにはブドウ糖がたくさん結合しているのです。米類だけが炭水化物(糖質)を含むということではありません。
逆に単に甘い味を楽しみたいということで、コカコーラ・ゼロのような人工甘味料の飲料なら、血糖値には全く影響することはありません。
このように、食事療法で気をつけないといけないことは、三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)をバランス摂取、また、ビタミンやミネラル類も欠かさずに摂取するということなのです。